フォークリフトは荷役作業を効率よく実施できる反面、危険な作業です。
安全教育を怠ると大きな事故や災害を引き起こすことになります。
この記事では、フォークリフト安全教育の受講方法と社内での実施方法お伝えします。
フォークリフトの安全教育を実施で従業員を再教育し、社内の労働環境を健全に保ちましょう。
フォークリフト運転業務従事者安全衛生教育
第六十条の二 事業者は、前二条に定めるもののほか、その事業場における安全衛生の水準の向上を図るため、危険又は有害な業務に現に就いている者に対し、その従事する業務に関する安全又は衛生のための教育を行うように努めなければならない。
2 厚生労働大臣は、前項の教育の適切かつ有効な実施を図るため必要な指針を公表するものとする。
3 厚生労働大臣は、前項の指針に従い、事業者又はその団体に対し、必要な指導等を行うことができる。
フォークリフト運転業務従事者安全衛生教育とは、運転技能講習修了者に対して実施する再教育です。
安全教育は法律で定められた努力義務です。
運転技能講習修了から概ね5年で安全衛生教育を実施する指針が、労働安全衛生法第60条2に定められています。
また安全教育の実施で、最新フォークリフトの特徴や保守管理方法、事故事例や対策を学ぶことができます。
社内の安全性向上を図るために安全教育は最適の方法です。
フォークリフト運転業務従事者安全衛生教育内容
フォークリフト運転業務従事者安全衛生教育は、業務に従事し下記の条件の1つを満たす人が対象になります。
- フォークリフト運転技能講習修了からおおむね5年
- フォークリフト特別教育修了からおおむね5年
- フォークリフト運転業務従事者安全衛生教育受講からおおむね5年
フォークリフト運転業務従事者安全衛生教育は、フォークリフト教習所で受講可能です。
費用はテキスト代込みで8,000~10,000円程度で実施している教習所が多いです。
講習受講後には修了証を交付してもらるので、安全教育の記録として保管しましょう。
安全教育の科目と時間
フォークリフト運転業務従事者安全衛生教育の講習時間は、学科のみ6時間になります。
科目内容と時間は以下のとおりです。
- 最近のフォークリフトの特徴(2時間)
- フォークリフトの取り扱いと保守(2時間)
- 災害事例及び関係法令(2時間)
フォークリフト安全教育の社内実施
フォークリフト安全教育を社内で実施する方法は2つあります。事業所の規模や勤務形態に合わせて実施しましょう。
- 講師を招いて社内で実施
- テキストに沿って講習を実施
出張講習
一部のフォークリフト教習所では出張講習を実施しています。
社内に専門の講師を招いて安全教育を実施するため、従業員の負担は少ないです。
出張講習実施の最低人数や出張可能地域などは、利用する教育機関により異なります。
事前の問い合わせが必要です。
東京技能講習協会では平日、土日、祝日いつでも全国の出張講習を受け付けています。
10名から利用可能です。
テキストを利用し講習を実施
自社で安全教育を独自に実施する際は、フォークリフト運転業務従事者安全衛生教育テキスト(陸上貨物運送事業労働災害防止協会発行)の利用がおすすめです。
教習所で安全教育を行う場合も、同じテキストを利用しています。
テキストに沿って教育カリキュラムを作成し実施しましょう。
下記では教育カリキュラムの一例を紹介します。
社内で安全教育を行う場合は、学科だけでなく実技の実施もおすすめです。
学科
- 最近のフォークリフトの特徴(構造上の特徴、荷役運搬方法の特徴)
- フォークリフトの取り扱いと保守(フォークリフト作業、安全、点検、整備)
- 最近のフォークリフトの災害事例と安全対策(走行装置、荷役装置の取り扱い方法)
- 関係法令(労働安全衛生法、労働安全衛生規則のフォークリフトに関連する条文)
- 質疑応答
- 簡単な筆記テストを実施し復習
実技
フォークリフト安全教育におすすめの資料(PDF)
>>>フォークリフト危険予知トレーニング(KYT)進め方と事例集
>>>フォークリフトヒヤリハット事例集と報告書の書き方・例文
まとめ
フォークリフト運転業務従事者安全衛生教育は、技能講習の資格を取得し5年経過した方を対象とする再教育です。
事業者はフォークリフト安全教育を実施する努力義務があります。
フォークリフト安全教育を実施し、従業員が安全に働ける労働環境を整備しましょう。
安全教育を怠ると事故や災害が増加します。
また、事故や災害で従業員が長期離脱すれば、企業の生産力も低下するため悪循環です。
フォークリフト安全教育の定期的な実施は、従業員と企業を守ることになります。
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