フォークリフトの運転が上手い人は仕事が早い人というわけではありません。
フォークリフトの運転は操作のスピードを競っているわけではなく、安全に正確に仕事をこなすことが前提になるからです。
いくら仕事を早くこなしても、事故やミスを起こせば下手な人になります。
フォークリフト運転操作のコツは、レバー操作やハンドル操作など技術的な部分以外にも覚えておくべき知識があります。
この記事ではフォークリフトの運転の上達に必要な操作のコツと知識を5つ紹介します。
加えて、フォークリフト運転が上手な人と下手な人の違いを具体的にお伝えします。
上手な人の特徴を取り入れて、フォークリフト運転操作の上達につなげましょう。
フォークリフト運転上達5つのコツ
フォークリフト運転の上達には時間がかかります。なぜなら上達には、経験による慣れが必要になるからです。
レバー操作やハンドル操作のコツは感覚をつかむまでは上手くいきません。
操作の感覚をつかむまでは、フォークリフトの特性や機能を理解し活用しましょう。
フォークリフトウェブでは上達に必要なコツを5つにまとめました。
フォークリフト初心者でも理解しやすい基準と、フォークリフトの機能を活用した方法でお伝えします。
- フォークリフトの特性を知る
- 水平ボタン・レーザー・効果音を活用
- 曲がるタイミングは前輪を目安にする
- 同時操作をしない
- 急な動作をしない
フォークリフトの特性を知る
フォークリフトを運転する前にまずは、フォークリフトの特性を知りましょう。
特性を知れば、フォークリフトがどのような動きをするのか理解できるため、思い描いたとおりに走行させることができます。
ここでは仕事でも利用頻度の高いカウンターフォークリフトとリーチフォクリフトの特性について紹介します。
カウンターフォークリフトの特性
椅子に座りながら運転するカウンターフォークリフトは、比較的重い荷物を運ぶのに適したフォークリフトとされています。
車体後部に重りが付いており、車体の前方で荷物を持ち上げた時に後方の重りとバランスをとれるため転倒しにくい構造です。
また、重い荷物を運ぶために前輪が大きく後輪が小さくなっています。
曲がるときに後輪が動くので、前輪が動く乗用車とは感覚が違うのです。
リーチフォークリフトの特性
リーチフォークリフトは立って運転するフォークリフトです。
タイヤが90度回転して小回りが利くように設計されています。特に狭い倉庫や工場での作業に適したタイプです。
水平ボタン・レーザー・効果音を活用
フォークリフトを乗り始めたころは爪の角度が下を向いているのか上を向いているのかさえ分かりません。
爪を水平にする感覚を身に着けるのには時間がかかります。
自動で水平にする水平ボタンや水平をレーザーや効果音で知らせてくれる機能があれば、積極的に活用しましょう。
>>>フォークリフトチルト操作のタイミングと水平を確認するコツ
曲がるタイミングは前輪を目安にする
フォークリフトは方向を変えるときに後輪が動くので、曲がるときに外輪差が生じます。
そのため前輪が曲がりたい地点に到達したタイミングでハンドルをきりましょう。速度を落とし、ゆっくりハンドルをきると上手に曲がれます。
>>>フォークリフト旋回3つのコツと旋回に必要な通路幅の基準
同時操作はしない
フォークリフトの同時操作は効率よく作業できるかもしれませんが、事故の危険性が高まるのでやめましょう。
複数の動作を同時に行うと、安全確認する項目も増え確認不足が発生します。
事故の確率が上がるので、フォークリフト操作はひとつずつ確実に行うことが望ましいです。
>>>カウンターフォークリフトのレバーの種類と3本・4本配列の法則
急な操作をしない
フォークリフトでの運転操作で求められるのは早さより正確な作業です。
急発進、急ブレーキ、急旋回、急なレバー操作は走行スピードは控えることで急ブレーキの抑制になります。
フォークリフトが上手な人の特徴
基本に忠実
フォークリフト操作が上手な人は、基本に忠実です。
流れるような操作をしているように見えても、基礎を忘れていません。
安全確認を徹底する
周囲をよく観察し、安全確認を徹底することで事故を減らすことになります。
安全確認は走行速度を落として確認、フォークリフトから下車して確認など、落ち着いて行いましょう。
また荷役中はバック走行を心がけてください。
効率よく作業する
フォークリフトが上手い人は仕事が早いです。しかし、操作スピードが速いわけではありません。
効率よく作業することで仕事を早く終わらせています。
無駄な工程をできるだけ省いてフォークリフトの作業時間を短縮しているのです。
フォークリフトが下手な人の特徴
フォークリフトの操作が下手な人は、事故を起こしやすい運転をする人です。
仕事が早くても危険な運転操作をしているのであれば改める必要があります。
作業音が大きい
フォークリフトの走行音や作業音が大きい人は事故を引き起こす危険な運転をしている可能性が高いです。
- 爪やパレットを引きずって走行
- スピードを落とさない
- 爪を挿すときにパレットに激突する
上記のような運転操作をしていると作業音が大きくなり、他の作業者と比べうるさいと感じます。
爪やパレットを引きずっての走行は、荷物の転倒事故につながるので危険です。
また、フォークリフトの爪やパレットの破損、路面を傷めるので補修費も余計に発生します。
狭い場所で旋回する
狭い場所での旋回は事故の危険性が高いです。
無理に旋回をすれば壁や荷物に接触します。
さらに、切り返しをすれば手順や安全確認の項目も増え時間がかかります。
旋回は広い場所で行いましょう。
同じ荷物を何回も移動する
同じ荷物を何度もどうすることは非効率です。作業時間が増えるので事故のリスクも高まります。
爪の差し込みが浅い
パレットに爪の差し込みが浅いと荷物が転倒しやすいです。
持ち上げた瞬間に転倒することもありますし、走行中に荷物がずれ、転倒することもあります。
段積が曲がっている
パレットの荷物を重ねる作業は4隅をそろえて段積しましょう。
4隅がずれると、段積した荷物が傾き転倒します。
斜めに重なることで通路を塞ぎ、接触のリスクも高いです。
無駄にハンドルを切りすぎる
無駄にハンドルを切り過ぎる原因は車体の大きさと後輪操舵(こうりんそうだ)のしくみを理解していないからです。
フォークリフトは車体に爪が付いているため大きく感じますが、乗用車よりは小さいです。
乗用車と同じ感覚でフォークリフトのハンドルを切ると、曲がり過ぎてしまいます。
後輪操舵は曲がるときに後輪が動きます。
乗用車でバック走行している動きになるのでハンドルを切り過ぎてしまう傾向があります。
曲がるときのハンドル操作は最小限にとどめます。感覚がつかめるまでは、ハンドルを小刻みに回しながら操作してください。
重量オーバーしている
上限重量を超えての荷物の運搬は非常に危険で、事故を引きおこす可能性も高いです。
重量オーバーの荷物はバランスが取れないので、1回で運ぼうとすると余計に時間がかかります。
複数回に分けて運んだ方がスムーズに作業できるので効率も良いです。
許容荷重はフォークリフト本体の装着されているプレートに表示されています。乗車前に確認しましょう。
地形や路面を把握していない
フォークリフトは敷地内を走行することが多いので、作業場所によって路面状況が大きく変わります。平らに整備された路面もあれば坂や段差もあります。
とくに坂道の走行では重心も変わってくるので、路面状況の変化に対応する視野の広さが求められます。
フォークリフトテクニック
フォークリフトは職種により作業が異なるので、用途や目的もさまざまです。
トラックへの積み込みや、コンテナ作業、荷物を吊る作業などがあります。
まとめ
最後までご覧いただきありがとうございます。この記事ではフォークリフトの上達のコツについてお伝えしました。
まずはフォークリフトの特性を知り、運転操作の理解を深めましょう。
爪の水平は便利なボタンやレーザーの機能を活用し、曲がるときは前輪を目安にハンドルを操作します。
レバーとアクセルペダルは同時操作をせずにひとつずつ確実な操作をすることが上達の近道です。
またフォークリフトの運転の上達には、練習あるのみです。
フォークリフト免許を取得したのであれば、会社に許可を得て練習するのもありでしょう。
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