フォークリフト操作によるトラックへの積み込み作業は、最初は難しく感じます。
積み込み作業の上達には、経験による慣れも必要です。
しかし、フォークリフトの積み込み作業にはコツがあります。
コツをつかめば上達も早く、仕事も効率よくこなせます。
フォークリフトの積み込みのコツと注意点を理解して安全作業を目指しましょう。
フォークリフトの積み込み作業とは
トラックの荷台に出荷する荷物をフォークリフトを用いて積載する作業です。
空箱や入荷の荷下ろし作業とセットになっていることも多く、ドライバーが行う場合と荷主や荷受けの従業員が作業をする場合があります。
積み込み作業はパレットに乗せられた荷物をフォークリフトで荷台へ並べていく作業が一般的です。
荷台の上で荷物を手作業で載せ替えることもあります。
フォークリフト積み込みコツと手順
フォークリフトを荷台へ鋭角にアプローチ
まずは、フォークリフトに荷物を積載し、バック走行でトラック荷台の積付位置まで移動しましょう。
荷台に対しては水平に並び鋭角にアプローチします。
左に積み込む場合は90度より若干内側に入り込む感覚で左にハンドルを切り旋回します。(上図参照)
なぜ鋭角にアプローチするかというと、荷物やパレットの間に隙間を作らないためです。
隙間ができると輸送時に荷物が動き転倒や破損の可能性が高まります。
慣れないうちはマストの位置や爪の根元など目印を決め、ハンドルを切り始めるタイミングを調整しましょう。
1回で曲がり切れない場合は、一旦バックして切り替えしてください。
マストは前傾パレット奥側の角を目標に積む
荷台に荷物を置くときは、マストを少し前傾にしパレット奥側を隣のパレットに当てましょう。
先頭を積むときは壁に当てて積みます。
なぜなら、一発でまっすぐに隙間なく積むのは難しいからです。
何度も切り返すことになるのであれば、少し斜めでも奥~手前の順番で荷物を置くと早く積み終わります。
荷物の奥側を隙間無く積めば、手前側を修正するだけだからです。
逆に手前から積むと、奥に隙間ができても気付かないこともあります。
修正も持ち上げて切り返す必ので手間がかかるのです。
2段置きをする
荷物を爪の奥まで挿し込んで積載すると、荷台から荷物がはみだしてしまいアオリが閉まりません。
また、フォークリフトで荷台に強くぶつかったり、荷物を強く押し込んだりするとアオリが壊れるのでやめましょう。
荷台に積み込むときは1回で置くのではなく、2回に分けて荷台への積み込みを行いましょう。
- 爪の奥で荷物を持ち上げて置く
- 少しバックして持ち上げて置く
このように、2段置きすることで無理なく荷台に積載できます。
2段置きするときは、荷物を手前に置きすぎたり、爪を浅く挿したりすると転倒や落下の危険があるので注意が必要です。
慎重に旋回走行
積み込み時の旋回は急な角度になるので、速度を落としましょう。
とくに重量物や高さのある荷物を積載するときはフォークリフトがバランスを崩しやすいです。
トラックへの積載時は、荷物の落下や転倒事故も多く報告されています。
>>>フォークリフト旋回3つのコツと旋回に必要な通路幅の基準
リフトの爪を活用する
荷物の積み込みの軽微な修正にはフォークリフトの爪を活用しましょう。
爪でパレットを持ち上げるのではなく、爪先や爪の横でパレットを押して隙間を無くします。
パレットを押しての角度を微調整するのは問題ありませんが、荷物を直接爪で扱うのはNGです。
荷物が破損するので絶対にやめましょう。
スライドがついていれば最大限活用する
フォークリフトの爪にスライド機能が搭載されているのであれば、積極的に活用しましょう。
スライド機能を活用することで、作業効率がアップします。
フォークリフトで荷物を横に移動するには、1度持ち上げて切り返す必要があります。
しかし、爪のスライド機能を利用すれば、レバー操作だけでパレットを横移動できるので簡単です。
作業工程も減るので、事故防止にも役立ちます。
フォークリフトでトラックへの積み込み注意点
パレットが何枚積めるか確認する
トラックの大きさごとに、荷物を積める量がパレット枚数で判断可能です。
荷台の大きさを把握すれば、積みきれなくて荷物を下ろしたり積み替えたりなどの余計な作業も無くなります。
パレットが何枚積めるのか、2t、4t、10tトラックの荷台を例に表にまとめました。
積載可能パレット枚数 | (1.1m×1.1mパレット) |
---|---|
2tロング | 3枚 |
4tロング | 10枚 |
10t | 16枚 |
また、荷台の広さだけでなく高さの確認も必要です。荷台の高さは高床、低床、超低床により違いがあるので注意が必要です。
荷姿の確認
積載前に荷物の状態を確認します。
- 荷物の幅、奥行、高さなど寸法を確認
- パレットが破損していないか確認
- 梱包の状態を確認
積み荷のパレットサイズに合わせて爪幅を合わせましょう。
爪幅を広くした方がリフトしたとき安定感が高いです。
荷崩れしない積み方をする
荷物は運転席側から重い荷物や高さがあり不安定な荷物から順番に積みましょう。
トラック荷台の後方に重い荷物を集中させると走行時横滑りして危険です。
空間を作らないためにも抱き合わせで荷物を積み、不要な段積みはやめましょう。
パレットがずれると危険
段積みの荷物は、まっすぐキレイに重ねて積み込みましょう。
斜めに積みあがっていると荷台のスペースを余計に使ったり、隙間ができて荷崩れを起こしたりします。
荷物を積む前にまっすぐに整えることが必要です。
ウイングとアオリのフックを畳む
フックは荷台から少し飛び出ているため、積み込み時にフォークリフトや荷物と接触し破損する恐れがあります。
フックが破損すると、アオリやウィングの開閉が難しくなり、運行にも支障がでます。
フックを畳むのは少し面倒ですが、フックが破損するともっと面倒です。アオリやウィングを開けたタイミングで必ず畳みましょう。
コンパネを使用する
パレットを隙間なく積み込みをしても、荷物に高さがある場合などは隙間が生じます。
輸送中にパレットが動かなくても、荷物が動くと破損や転倒の危険があります。
板やコンパネを荷物の間に挟み固定すると、万が一荷物が倒れてきても壁になり支えます。
汚れが気にする荷物は、2段積みのときに上に重ねるパレットの下にコンパネを敷きましょう。
汚れだけでなく、潰れも防止します。
片側ずつ積み込む
積み込みをするときは片側ずつウィングを開けて積み込みをしましょう。
なぜなら両側ウィングを開いた状態で積み込みをすると反対側の荷物を押して落下させる危険があるからです。
まとめ
フォークリフトの積み込み作業は効率よくこなすことで作業時間短縮になります。
しかし、急いで作業を行うと重大な事故にもつながるので慎重な操作が必要です。
フォークリフトで積み込み作業する際は、荷物の状態と荷台の状況を把握しフォークリフト操作を行いましょう。
また、運転手や作業者とのコミュニケーションも大切です。誘導やアドバイスを行うことで安全性も向上します。
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