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フォークリフトチルト操作のタイミングと水平を確認するコツ

フォークリフト チルト 運転と操作方法

フォークリフトのチルト角度を見極められずに作業をして、冷や汗をかいたことはありませんか。

チルト操作は、フォークリフト荷役作業で必ず利用します。

チルト操作は、タイミングを間違えると大きな事故にもつながり危険です。

フォークリフトチルト操作のコツは、チルト操作のタイミングとチルト角の水平の確認です。

チルト作業の手順を理解して安全な作業を目指しましょう。

フォークリフトのチルト操作とは

フォークリフトのチルト操作とは車体の前方にあるマストを前傾、後傾させる操作です。

マストには爪やその他様々なアタッチメントが装着されていて、チルト操作を行うことでフォークリフト作業の幅を広げることができます。

チルトは日本語に訳すと傾けるという意味です。

フォークリフト作業において「チルトをする」「チルトを効かせる」とは、チルトを後傾させることを指します。

荷物を運ぶときにマストを後ろ傾けることで荷物を安全に運ぶ役割を果たすのです。

それに加え爪先を上に向けることで、走行時に地面との接触を防ぐ役割もあります。

チルト操作は作業性と安全性の向上につながります。

チルトレバー

フォークリフト チルト レバー

 

チルト操作はチルトレバーで操作します。チルトレバーを前に倒せばマストが前傾し、レバーを後ろに倒せば後傾します。

チルトレバーには上図で示した表示があります。

レバー配置は機種やオプションによって違うので、自身が運転するフォークリフトのレバー表示を確認しましょう。

チルトのタイミング

フォークリフトでチルト操作をするタイミングは以下の5つが基本になります。

  1. 走行前に後傾
  2. 荷役操作前に水平に
  3. 爪を挿してから後傾
  4. 爪は下がった状態でチルト操作
  5. 荷物を置く前に水平にチルト

走行前にチルトで後傾

フォークリフトは荷物を積載時も空荷でも、マストを後傾しての走行が基本です。

走行前にチルト操作をしてから動き出すようにしましょう。

積載時に後傾することでバックレストで荷物を支え安定して運搬できます。

荷役操作前に水平にチルト

まずはパレットに爪を挿す前にチルト操作で水平にします。

チルトで後傾した状態で爪を挿しこむと危険です。

爪がパレットを干渉しパレットを押すことで荷物が落下し破損させることもあります。

爪を挿してからチルトで後傾

爪を挿し終わってからチルトで後傾します。

パレットが爪の根元に当たってからチルトするのが基本です。

積載時にチルト操作で後傾することで、バックレストで荷物を支え安定して運搬できます。

爪は下がった状態でチルト操作

フォークリフトのチルト操作は路面との接触を防ぐために路面から15センチ程度の高さで行いましょう。

爪は下がった状態でチルト操作するのが基本です。

爪を高く上げた状態でチルト操作をすると転倒の危険が高まるからです。

しかし、高さのある棚などに荷物を置くときは、爪が上がったままチルト操作する必要があります。

ゆっくり慎重なレバー操作が求められます。

荷物を置く前に水平にチルト

荷物を置く前に水平にチルトするのが基本です。

荷物を置いてからチルト操作をするとバックレストで荷物を押して破損させる危険性があります。

チルト角度を見極めるには

フォークリフトのチルトの角度は機種により違いがありますが、メーカーの仕様書には下記のように示されています。

フォークリフトマスト傾斜角前傾/後傾4/6

この表の場合マストが前傾4度、後傾6度まで傾く仕様です。前傾より後傾の方が角度がつきます。

チルトの角度を見極めは目視で行うことが多いです。積載時の荷物やパレットの傾き具合、空荷のときは爪の傾き具合を目視で確認します。

また、フォークリフト操作の経験を積めばチルトレバー操作の感覚でマストの傾き加減を判断できるでしょう。

チルトで爪を水平にする方法

フォークリフトのチルト操作でいちばん難しいのが爪を水平にすることです。

水平にするのが難しい理由は目線と爪の高さが違うからです。爪を高くあげるほど下から覗き込んだときに微妙な傾きがわかりません。

しかし、目線の高さだと爪の傾きはわかりやすいです。先にチルト操作を行い爪を平行にした状態で作業を行いましょう。

また、高く上げた爪の水平を目視で確認する場合、爪を後ろから見るのではなく爪を横から覗き込むように見ると爪の傾きが確認しやすいです。

パレットや障害物があり爪が目視で確認できない場合はマストの傾斜を確認します。しかし、マストの傾斜は非常にわかりづらく水平を判断するには経験が必要です。

チルト角度や爪の水平がわかる機器の利用をおすすめします。

チルト水平の目印となる機器

水平レーザー

チルトの水平と爪の高さの位置を知らせてくれるレーザーです。フォークリフト購入時にオプションでも、後付けでも装着可能です。

チルトの水平を音で知らせる機能が付いている機器もあります。

チルト水平ボタン

チルト角が後傾しているときに、チルトレバー付属の水平ボタンを押しながらチルトを前傾すると水平位置で自動停止する装置です。トヨタフォークリフトで実装されています。

チルトインジケーター

チルトの水平だけでなく、チルトの傾きも確認できる機器です。マストの傾きがランプ点灯や色でわかります。配線不要マグネットで簡単に装着できるので気軽に導入できます。

 水平器

マストに水平器を装着して傾きを確認するシンプルな方法です。ライトの光で水平器を照らし視認性を高くするものがあります。小型で簡単に取り付け出来るのも魅力です。

チルトしない作業について

フォークリフトの荷役作業はチルトを後傾させるのが基本です。

しかし、チルトを後傾すると崩れてしまう荷物もあります。

例えば蓋の無い容器にいっぱいに小さな金属部品が入っていた場合、チルトを後傾すると容器から金属部品がこぼれ出ます。

マストより高い部分の荷物はチルトを効かせると崩れ落ちるでしょう。

荷役作業はチルトで後傾させるのが基本ですが、取り扱う荷物によってはチルトをしない作業を求められます。

しかし、チルトをしない荷役作業は危険が伴います。

できることならチルトができる荷姿へ改善しましょう。

チルトの前傾作業は危険

フォークリフトのチルトを前傾にしたまま作業を行うことはほとんどありません。

なぜなら前傾作業はフォークリフトの車体のバランスが崩れ事故になる可能性があるからです。

重量のある荷物を積載してチルトをせずに爪を上昇させると、重心の位置が前に移動し不安定になります。

その状態で、前進や後退、旋回を行えばフォークリフトが転倒する危険性が高いです。

爪下げていても荷物や爪が地面と接触し路面や荷物を壊すこともあります。

しかし、前傾を必要とする作業はあります。

ダストボックスを傾けて中身を捨てたり、水を流したりする作業です。

前傾作業をする場合は荷重中心を考えて極力高い位置での作業は避けましょう。

リフトしたままの走行も禁止です。

チルトの前傾は停車時以外は危険と認識しましょう。

まとめ

フォークリフトのチルト操作は難しいです。

チルト角度がわからなくなった場合は降車して確認するか、誘導者を設けてチルト角度の指示を受けます。

爪の水平を見極めるには目線の高さでの確認が最適です。

リフトする前にチルト操作を行いましょう。

また、チルトの角度や水平を確認できる便利な機器もあります。

導入すれば作業の安全性が高まり事故防止にも役立ちます。

チルトをしない、チルトを前傾にする荷役作業は危険です。

チルトを前傾にしたままの走行は転倒事故を引き起こすので禁止しましょう。

>>>カウンターフォークリフトのレバーの種類と3本・4本配列の法則

坂道走行の荷役作業は禁止となっています。坂道走行の注意点はこちらの記事で紹介しています。

>>>フォークリフトが登れる勾配の角度と坂道走行の注意点

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