リーチフォークリフトの操作方法はカウンターフォークリフトに比べると覚えることが多いので難しいです。
しかし、覚えてしまえばリーチフォークリフトの方が乗りやすく感じてしまう人もいます。
この記事ではリーチフォークリフトの操作方法を初心者の方でもわかるようにお伝えします。
リーチフォークリフト操作の上達に役立ててください。
リーチフォークリフトの特徴
リーチフォークリフトの特徴は以下のとおりです。あわせて、カウンターフォークリフトとの違いもお伝えします。
- 立ち乗りで操縦
- 敷地内専用で屋内推奨(公道走行不可)
- 動力はバッテリー式
- 小回りが利く
- リーチイン機能
リーチフォークリフトには座席が無く立って乗車し操作を行います。そのため乗車スペースは高さがある構造です。
動力はバッテリー式で排気ガスやエンジン音も少なく屋内での使用にも適しています。
リーチフォークリフトは敷地内専用のためカウンターリフトのように公道での使用はできません。
リーチフォークリフトはカウンターリフトに比べ車体が小さく、小回りが利くため狭い場所でも効率よく作業できます。
カウンターリフトのタイヤの切れ角は70度です。それに対して、リーチリフトはタイヤの切れ角が90度あるため小さく旋回できます。
さらに、リーチフォークリフトにはフォーク(爪)部分を車体側にスライドしてしまうリーチイン機能が搭載されています。
リーチイン機能のメリットは車体の安定性向上と小回り性能アップです。
リーチフォークリフトは高さがあり走行が不安定になります。リーチインを使用し走行すれば、安定性も向上します。
リーチリフトはカウンターリフトに比べタイヤが小さいので走行時の揺れが大きくなります。
揺れや振動は車体にも体にも悪影響なので、きれいに舗装された路面で走行しましょう。
リーチフォークリフトの運転操作方法
乗車
リーチフォークリフトには操縦席の代わりにフロアデッキと呼ばれるスペースに立って乗車します。
フロアデッキの床面左側にはブレーキペダルが設置されているので、左足を乗せます。
リーチフォークリフトのブレーキペダルは踏むことでブレーキを解除するデッドマンタイプです。
ペダルブレーキを利かせるには左足をブレーキから離しましょう。
さらに最近では、フロアデッキ右側にもプレゼンススイッチと呼ばれるペダルが実装されている車体があります。
プレゼンスイッチがある場合は、右足でプレゼンスイッチと左足でブレーキペダルを同時に踏むことでブレーキが解除されるしくみです。
運転姿勢
左手はハンドルグリップを掴み、右手は操作レバー周辺に構えます。
両足と体がフロアデッキから外にはみ出ないように真っすぐ立ちましょう。
車体の外に体がはみ出すとケガをするので危険です。
足は挟まれる危険があるので必ずデッキ内におさめてください。
後進時は上半身を後ろに向けて進行方向の確認を行います。
リーチフォークリフトのレバー配置
リーチフォークリフトのレバー配置は前後進レバーが一番右になります。
その他のレバー配置はメーカーやオプションにより変わります。下記の3つのレバーが左から順番に配置されていることが多いです。
- リフトレバー
- チルトレバー
- リーチインレバー
前進・後進
リーチリフトの前後進に必要な操作は2つです。
- 左足でブレーキペダルを踏みこみ解除する
- 右手で前後進レバーを進行方向に倒す
まずは、フロアデッキのブレーキペダルを左足で踏みブレーキを解除します。(プレゼンススイッチがある場合右足で同時に踏む)
フロアデッキのブレーキペダルを踏んだ状態で前後進レバーを前方に押し倒すと前進、後方に引き倒すと後進走行します。
前後進レバーは倒すほど速度が上昇するしくみです。レバー操作は右手で行います。
ミラーや目視で周囲の安全確認を行いながらゆっくりとレバーを倒し走行しましょう。
後進時は上半身を後ろに回した体勢で進行方向を確認してください。
レバー操作
リーチフォークリフトの前後進以外のレバー操作を紹介します。
フォークを上下
上昇 | 後方に引き倒す |
下降 | 前方に押し倒す |
チルトを傾ける
チルト角を後方に傾ける | 後方に引き倒す |
チルト角を前に傾ける | 前方に押し倒す |
フォークを伸縮
爪を伸ばす | 後方に引き倒す |
爪を縮める | 前方に押し倒す |
リーチイン・リーチアウト機能
リーチイン機能はリーチフォークリフトにのみ搭載された爪を伸縮できる機能です。
リーチフォークリフトの正しい操作方法として講習では爪を縮めてリーチインした状態での走行を推奨しています。
なぜなら、爪を縮めると車体が安定するので転倒のリスクを軽減できるからです。さらに小回りも利というメリットもあります。
必ずリーチイン走行をしなければならないわけではありません。
状況に応じてリーチイン、リーチアウトを使い分け安全に操作しましょう。
ハンドル操作・曲がるタイミング
リーチフォークリフトのハンドルはステアリングに設置されたノブを左手でつかみ操作します。
ハンドルは中立位置から片側2回転半ずつ回ります。
リーチフォークリフトは後輪操舵でハンドルの切れ角は90度あるため、車体の後方の振れ幅がカウンターリフトよりも大きいです。
左に曲がるときのタイミングは車体を左に寄せ、曲がる地点に前輪が到達してからハンドルを切りましょう。
この時スピードは落とし、車体の後方の動きを見ながらゆっくりとハンドルを回してください。
車体がまっすぐになったら停止してもいいのでゆっくりとハンドルをまっすぐに戻しましょう。
運転に慣れないうちは、ハンドルがまっすぐに戻ったかわからないことも多いです。
リーチリフトを降りて後輪の角度を目視で確認し、ハンドルを調整するとうまくいきます。
ブレーキ・停止方法
リーチフォークリフトのブレーキ方法は2つです
- ブレーキペダルから足を離す
- 前後進レバーを中立位置、または進行方向と反対に倒す
リーチフォークリフトのブレーキ操作はカウンターリフトとは異なります。
カウンターリフトのブレーキは自動車と同じでブレーキペダル踏むことでブレーキが利き停止するフットブレーキです。
それに対してリーチリフトは踏み込んでいるブレーキペダルを離すことでブレーキが利くデッドマンブレーキです。
リーチリフトのブレーキペダルから足をいきなり全て離してしまうと急ブレーキになります。
滑らかに停止するにはブレーキペダルからゆっくりと足を離す操作が必要です。
また前後進レバーを中立位置にするか、進行方向と反対にレバーを倒すことでもブレーキがかかります。
しかし、前後進レバーの中立はブレーキペダルの解除よりはブレーキの利きが弱いです。
前後進レバーの中立で速度を落としてブレーキペダルの解除で停止する順番で操作すると滑らかに停止できます。
リーチフォークリフトのブレーキは慣れるまでは微調整が難しいです。
急ブレーキになると荷物の落下や転倒の危険が増すので初心者の方はスピードは控えめで操縦しましょう。
リーチフォークリフトの肘操作とは
フォークリフトの肘操作とはリーチフォークリフトの前後進レバーを右腕の肘付近で操作する方法です。
肘で前後進レバーを操作することで、空いた右手でその他のレバーの同時操作が可能になります。
レバーの同時操作は効率よく作業ができる反面、操作ミスや事故のリスクが高いです。
リーチリフトの肘操作を行っているオペレーターは多いですが正しい操作方法ではありません。
無理に肘操作を覚えなくても作業はこなせます。
しかしどうしても肘操作を覚えなければならない方のために練習方法をお伝えします。
肘操作は最初は同時操作にならないように別々に練習するのがおすすめです。
- 前後進レバーの肘操作を練習
- 肘を前後進レバー付近で構えて右手でその他のレバーを別々に操作
リーチフォークリフト初心者上達のコツ
走行スピードはゆっくり
リーチフォークリフトは屋内での使用が多いです。そのため狭く見通しの悪い場所での作業も多くなります。
スピードを出し過ぎると衝突や、万が一人が飛び出してきたときに対処できません。
また、リーチフォークリフトは立ち乗りの乗車でシートベルトなど操縦者の落下防止機能がありません。
スピードを出して旋回すると荷物の落下だけでなく操縦者も落下する危険があります。
このようにスピードを出すことで事故やけがのリスクが非常に高くなるので、走行スピードはゆっくりにして作業しましょう。
ハンドルはゆっくり回す
リーチフォークリフトのハンドルは2回転半回るので、慣れないうちはタイヤが向いている方向がわからなくなります。
ハンドルを切り過ぎて衝突してしまうこともあるでしょう。
初心者の方は前方に気を取られて車体後方の動きを見落としてしまう傾向があります。
後方の車体の動きを確認しながら速度を落とし、ゆっくりとハンドルを回して衝突を回避しましょう。
レバー操作は慎重に
レバーを操作する前に数種類あるレバーの役割と配置を覚えます。
初心者のうちはレバーの表示を見て違う役割のレバーを操作しないように注意しましょう。
リーチフォークリフトのレバーは傾けた角度に応じて反応します。
レバーをいきなりフルに倒す急な動作を起こすので危険です。レバー操作は少しずつじんわりと倒していきましょう。
リーチフォークリフト練習方法
リーチフォークリフトおすすめの練習方法は2つ紹介します。
- 敷地内を旋回し走行する
- 空パレットを重ねる
まずは走行に慣れることが大切です。前進走行や後進走行、右折や左折など敷地内をスムーズに走れるように練習しましょう。
走行に慣れてきたら荷役操作の練習をします。最初は空パレットを積み重ねたり、移動したり簡単な操作を練習します。
- さまざまな形状の空パレットの種類を運び積み重ねる
- 積みあがったパレットを高さのある状態で運ぶ
上記のように空パレットを運ぶだけでも応用して経験を積むことができるのでおすすめです。
リーチフォークリフトの運転に必要な資格
リーチフォークリフトを運転するための資格は特別教育と運転技能講習の2つあります。
しかし、取得を目指すなら運転技能講習がおすすめです。
なぜなら特別教育では1t未満のフォークリフトの運転に限定されてしますからです。
仕事を探すうえで1t未満の資格では需要が低くなってしまいます。
まとめ
リーチフォークリフトの運転操作はカウンターリフトとは異なるため新たに覚えて練習する必要があります。
慣れない操作が多いので難しいと感じることが多いです。
しかし、操作を覚え上達すれば社内での評価も上がり昇給にもつながります。
またリーチフォークリフトの求人は未経験でも応募できる企業が多いです。
スキルを身に着けて安定した仕事を探しているのであればおすすめの仕事なので、気軽に挑戦してみてくださいね。
コメント