フォークリフトの効率的な運用と安全性を確保するためには、適切なタイヤの選択が不可欠です。
本記事では、フォークリフトに使用される主なタイヤの種類とそれぞれの特徴について詳しくご紹介します。
また、タイヤの交換方法、メンテナンス方法、およびタイヤサイズの重要性についても解説します。
正しいタイヤの選択と適切なケアにより、フォークリフトの性能向上と耐久性向上を目指しましょう。
カウンターフォークリフトタイヤの種類
カウンターフォークリフトのタイヤの種類は下記の3つです。
使用目的や走行路面に応じたタイヤを装着しましょう。
- エアータイヤ
- ノーパンクタイヤ
- エアボスタイヤ
カウンターフォークリフトタイヤの構造
カウンターフォークリフトには、強度の高いタイヤが取り付けられ、フロントタイヤとリアタイヤの2か所で構成されています。
エアータイヤ(ニューマチックタイヤ)
エアータイヤの特徴は以下の4つです。
- クッション性が高い
- ノーパンクタイヤより安価
- パンクのリスク有
- 空気圧の調節が必要
エアータイヤ内には自転車のタイヤ同様、チューブが組み込まれ空気が入っています。
タイヤの自重が軽いため、取り扱いが容易なうえに、クッション性も高く乗り心地がよいです。
運転者の負担が少ないため、悪路の走行や長距離・長時間作業におすすめのタイヤになります。
またエアータイヤは、ノーパンクタイヤに比べると価格が安く導入や交換もしやすいです。
しかし、エアタイヤ内には空気が入っているため、パンクのリスクがあります。
釘などの突起物を踏むと穴が開き、空気が抜けるので注意が必要です。
さらにエアータイヤは、空気圧の調整も必要になります。
空気圧の調整を怠ると、パンクやタイヤの劣化が早まるります。
安全のためにも、空気圧の調整は定期的に実施しましょう。
また屋内で使用する場合、タイヤ表面のゴムが地面と擦れてタイヤ痕が残りやすいです。
ノーパンクタイヤ(ユニークタイヤ)
ノーパンクタイヤの特徴は以下の4つです。
- クッション性が少ない
- エアータイヤより長寿命
- パンクのリスクなし
- 空気圧の調整不要
ノーパンクタイヤは、タイヤの内部もゴムで構成されています。
タイヤ自重が重くなり、クッション性も少なく乗り心地もエアータイヤよりも悪いです。
価格はエアータイヤよりも高いですが寿命はノーパンクタイヤの方が長くなります。
また、タイヤ内に空気が入っていないためパンクのリスクや空気圧の調整の必要がありません。
金属片やガラス片など、パンクの原因となる突起物が散らばっている路面でも運用可能です。
ノーパンクタイヤには、黒以外にも白と緑のカラーバリエーションがあります。
カラータイヤと呼ばれ、屋内の路面の色に合わせて使用することで、タイヤ痕が残りにくいです。
エアボスタイヤ(穴あきタイヤ)
エアボスタイヤの特徴は以下の4つです。
- クッション性が高い
- 高価
- パンクのリスクなし
- 空気圧の調整不要
エアボスタイヤは穴あきタイヤとも呼ばれ、ノーパンクタイヤの側面に穴があいたタイヤです。
ノーパンクタイヤの実用性とエアータイヤの乗り心地性能を合わせたタイヤで、側面に穴を開けることで衝撃吸収や軽量化を図っています。
パンクのリスクもなく空気圧調整の必要もないので、メンテナンスも非常に楽です。
ただし、通常のタイヤよりも高価になります。
リーチフォークリフトタイヤの種類
リーチフォークリフトのタイヤの材質種類は下記の2つです。
走行路面に応じたタイヤを選択しましょう。
- ウレタンタイヤ
- ゴムタイヤ
リーチフォークリフトは、部位別にローラーの種類が異なってくるため、タイヤ構成を理解しておかなければなりません。また、タイヤの材質によっても種類が異なるため、それぞれの特徴を把握する必要があります。
リーチフォークリフトタイヤの構造
リーチフォークリフト以下の3か所で構成されています。
- ロードタイヤ・・・左右前輪
- ドライブタイヤ・・・左後輪
- キャスタータイヤ・・・右後輪
ロードタイヤは前輪で左右に1本ずつあります。
ドライブタイヤは左側の後輪の駆動輪の役割です。
キャスタータイヤは右側の後輪で補助タイヤの役割があります。
ウレタンタイヤ
ウレタンはタイヤはゴムタイヤに比べ耐久性が高いです。
そのため、リーチフォークリフトを毎日長時間使用する場合は、ウレタンタイヤがおすすめになります。
またウレタンタイヤは、路面にタイヤ痕が付きにくく、室内の奇麗な路面での使用にも適しています。
さらに、ウレタンタイヤに金属のアミを埋め込んだアミ入りタイヤと呼ばれるタイヤもあります。
アミ入りタイヤは、冷凍倉庫内などスリップしやすい路面でもグリップ力を発揮できるタイヤです。
ゴムタイヤ
ゴムタイヤは低コストで滑りにくく、グリップ力が高いのが特徴です。
タイヤの消耗が激しい路面で使用する場合は、ウレタンタイヤに比べて安価なゴムタイヤがおすすめになります。
ゴムタイヤは、クッション性が高くグリップ力が高いので、滑りやすい路面での使用に適しています。
また、タイヤ痕が目立たない色付きのゴムタイヤもあります。
フォークリフトのタイヤサイズ
フォークリフトのタイヤサイズは、タイヤ側面に表示されています。
メーカーや型式、重量によってタイヤサイズが異なるので、タイヤサイズの確認方法は覚えておきましょう。
タイヤサイズは下記のようにタイヤ側面に表示されています。
インチ表記「5.00-8/3.00」
- 5.00・・・タイヤ幅
- 8・・・リム径
- 3.00・・・リム幅
ミリ表記「280-135-145」
- 280・・・タイヤ幅
- 135・・・リム径
- 145・・・リム幅
フォークリフトのタイヤ交換
タイヤ側面にサイズ表示を確認し、同サイズのタイヤと交換しましょう。
交換目安
エアータイヤ
スリップサイン(△マーク)まで溝が減ってきたら交換目安です。
ノーパンクタイヤ
スリップサイン(△マーク)まで溝が減ってきたら交換目安となります。
使用するタイヤによってはスリップサインのマークが異なる場合や、無いこともあります。
スリップサインがない場合は、タイヤの溝がなくなりつるつるになったら交換目安です。
リーチ用タイヤ
リーチ用のタイヤはスリップライン(△マーク)の表示がないので、タイヤサイズが表示されている部分まで減ってきたら交換目安です。
リーチフォークリフトはタイヤが減ってくると、車体と路面の間隔が狭まります。
そのため、走行時に車体が路面と接触する危険があるので、注意が必要です。
車体と路面の間に、靴のつま先が入らなくなったら交換が必要になります。
交換方法
フォークリフトのタイヤ交換方法は、一般的な車両のタイヤ交換手順と同様になります。
自身でも交換可能ですが、フォークリフトの製造元の指示に従うことが重要です。
また、タイヤ交換は専門的な技術と道具を必要とするため、安全性を確保するためには熟練したメカニックに依頼することが推奨されます。
フォークリフトのタイヤ交換手順を簡潔にまとめます。
1. 安全確保: フォークリフトを停止させ、エンジンを切ります。滑り止め対策を行い、手ブレーキをかけます。
2. タイヤ解放: ジャッキを使用してフォークリフトの対象タイヤを浮かせます。
3. タイヤの取り外し: ボルトやナットを緩め、古いタイヤを外します。
4. 新しいタイヤの取り付け: 新しいタイヤを取り付け、ボルトやナットを締めます。
5. タイヤの固定: フォークリフトを地面に降ろし、タイヤを確実に固定します。エア圧の調整を行い、必要に応じてバランスを取ります。
フォークリフトタイヤのメンテナンス
フォークリフトタイヤは、空気圧やタイヤ痕、変形などに注意が必要です。
タイヤを適切な状態で維持するためには、メンテナンスが必要になります。
タイヤの空気圧
ノーパンクタイヤ以外のタイヤを使用する場合は、空気圧に十分注意する必要があります。
重量物を扱うフォークリフトのタイヤは、7〜10kPaと高い空気圧が必要となります。
適切な空気圧を保つことが重要であり、高すぎても低すぎても危険です。
使用中のフォークリフト説明書や、銘板に記載された空気圧に調整しましょう。
また、ゴム製のタイヤは使用するたびに空気が抜けていきます。
空気圧の低下は、タイヤの変形やヒビ割れの原因となるためタイヤの寿命が短くなります。
さらに、操作性も悪化し、作業効率にも影響を及ぼす可能性があるため、定期的な点検が必要です。
月に1度は空気圧の点検を実施しましょう。
点検の手間やパンクのリスクを考慮し、ノーパンクタイヤへの交換も検討してもよいでしょう。
タイヤ痕
屋内でフォークリフトを使用する際には、タイヤ痕が床に付くことがあります。タイヤ痕は簡単に取り除くことができないので、タイヤ痕対策を行う必要があります。
具体的な対策として、トラクションコントロールが備わったフォークリフトの使用やカラータイヤの採用があります。
また、屋外用と屋内用のフォークリフトを使い分けや、リフトマットを使用してタイヤの汚れを除去するなどの対策もあります。
対策に費用をかけたくない場合は、急発進や急停車を避けたり、旋回時にタイヤを切りすぎない運転を心掛けましょう。
タイヤと床の摩擦を抑え、タイヤ痕を減らすことができます。
タイヤの変形
フォークリフトは非常に重量がある車両のため、自重によりタイヤが変形することがあります。
変形したタイヤは、元通りに戻すことはできません。
長期間使用しない場合は、事前にタイヤを取り外して変形を防止しましょう。
定期点検の実施
フォークリフトのタイヤは日々摩耗し、劣化していくため、メンテナンスを定期的に行う必要があります。
特にタイヤの状態はスリップの原因となり、事故が発生する可能性も考えられます。このため、1ヵ月ごとの定期点検など、メンテナンス体制を確立することが重要です。
まとめ
フォークリフトのタイヤ選びは、安全性とコスト面の改善につながります。
使用環境に合わせた素材や形状のタイヤを選びましょう。
また、安全性を確保するために、タイヤの定期的な点検と適切なメンテナンスが必要です。
月に1回はタイヤの点検を実施し、事故防止に努めましょう。
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