社内でフォークリフト特別教育実施できれば、1t未満のフォークリフト操縦者を短期間で育成できます。
この記事では特別教育を社内で実施し受講させることはできるのか、資格は有効になるのかについて解説していきます。
フォークリフト特別教育は社内で実施できるのか
特別教育の社内での実施は可能です。しかしそれには定められた実施方法が必要です。
まずは下記の資料をご覧ください。
2 特別教育の実施
特別教育を行う方法は、企業内で行うほか、企業外で行う方法もありますが、労働者がその業務に従事する場合の労働災害の防止を図るものであるため、事業者の責任において、実施されなければなりません。
特別教育の具体的な内容は、安全衛生特別教育規程などにおいて、厚生労働大臣が科目や時間を定めています。また、特別教育の講師については、資格要件は定められていませんが、教育科目について十分な知識と経験を有する人でなければなりません。
なお、技能教習修了などの上級の資格を有する者やその業務に関する職業訓練を受けた者など特別教育の科目の全部又は一部について十分な知識や経験を有していると認められる労働者については、その科目について省略をすることもできます。
労働者が特別教育を受けている時間は労働時間となりますので、所定労働時間内に行うのが原則であり、法定労働時間外に行われた場合には割増賃金を支払う必要があります。また、企業外で行う場合の講習会費や旅費なども事業者が負担するものであります。
厚生労働省のウェブサイトの文面にあるように、フォークリフト特別教育は社内で事業者の責任で 実施することが原則と明記されています。
フォークリフト特別教育の社内での実施を推奨しているということになります。
社内の特別教育の実施者に資格は必要なのか
厚生労働省の文面には「資格要件は定められていません」とあるので講師に特別な資格は不要です。
しかし、「教育科目について十分な知識と経験を有する人」と記載されています。
つまりフォークリフト操作において未経験や経験が浅い人ではなく、経験が長い人が対象となり、各事業者の裁量で判断することとなります。
出張講習で社内で受講
特別教育を社内で実施できない場合は事業所に出張して講習を開催してくれるサービスもあります。
出張の条件は10~20名の人数が集まる場合に限定しています。
少人数にも対応可能な事業者もあるようですが料金など別途相談が必要です。
個人で受講を考えている方は利用は難しいでしょう。事業所単位での申し込みが必要になります。
フォークリフト特別教育の内容
安全衛生特別教育規程第 7 条
(フオークリフトの運転の業務に係る特別教育)
第七条 安衛則第三十六条第五号に掲げる最大荷重一トン未満のフオークリフトの運転の業務に係る特別教育は、学科教育及び実技教育により行なうものとする。
引用元:厚生労働省
上記の法令により特別教育は、学科6時間と実技6時間の合計12時間が定められています。
講習は2日かけて実施されます。
学科講習内容 | 時間 |
---|---|
走行に関する装置の構造及び取り扱いの方法に関する知識 | 2 |
荷役に関する装置の構造及び取り扱い及び作業方法に関する知識 | 2 |
運転に必要な力学に関する知識 | 1 |
関係法令 | 1 |
学科内容詳細
- フオークリフトの原動機・動力伝達装置・走行装置・かじ取り装置・制動装置・走行に関する附属装置の構造や取扱い方法
- フオークリフトの荷役装置・油圧装置(安全弁)・ヘツドガード・バツクレスト・荷役に関する附属装置の構造や取扱い方法
- 力(合成、分解、つり合い、モーメント)・重量・重心・物の安定・速度・加速・荷重・応力・材料の強さ
- 法令及び安衛則中の関係条項
実技講習内容 | 時間 |
---|---|
フオークリフトの走行の操作 | 4 |
フオークリフトの荷役の操作 | 2 |
実技内容詳細
- 基本走行
- 応用走行
- 基本操作
- フォークの抜き差し
- 荷物の配列・積み重ね
フォークリフト特別教育は社内で受講できるのか
フォークリフト特別教育は社内で受講可能です。
法令で定められた内容を社内で受講すれば有効となります。
社内で実施していない場合は労働局長登録教習機関で受講することができます。
フォークリフトの特別教育は、ある程度大規模の企業の事業所などで実施しています。
企業の事業所では自社や関連会社の社員に講習を行っています。
その他の個人の方は労働局長登録教習機関で特別教育を受講しましょう。
特別教育を実施している教習所はこちらの記事で紹介しています。
>>>フォークリフト特別教育を取得目指す方へ!費用・期間・教習所などを紹介
まとめ
フォークリフト特別教育の社内実施は可能です。
定められた内容の講習を実施すれば有効となります。
自社で講習を行うことでフォークリフトオペレーターの安全意識向上や再確認にもつながるでしょう。
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