パレットとはフォークリフトで荷物を運ぶ際に使用する台です。
荷物に応じて様々な種類が運用され、物流において不可欠なアイテムとなっています。
本記事では、パレットの材質、形状、サイズの種類について紹介します。
それぞれのパレットの特徴や使い方を理解し、荷物に適したパレットを使用しましょう。
パレット材質の種類
パレットは材質により積載する荷物や、適した作業用途が異なります。
材質による違いや特徴を理解し、輸送や保管に適したパレットを選択して下さい。
木製パレット
木製パレットは世界でいちばん多く流通しています。原料となる木は針葉樹が多いです。
木製パレットの特徴は下記の3つです。
- 生産コストが低い
- 積荷が滑りにくい
- 補修が容易
木製パレットは、他の材質のと比べ生産に必要なコストが低いため、導入しやすいです。
そのため、海外への送付など、パレットを1回だけ使用するケースに適しています。
また、パレット表面がざらざらしているので積載物が滑りにくいです。
しかし、木製のため水分を吸収します。重くなったり、滑りやすくなったりするので注意が必要です。
プラスチック(樹脂)パレット
プラスチックパレットの特徴は以下の3つです。
- 軽量
- 耐久性が高い
- 耐水性が高い
プラスチックパレットはプラパレと呼ばれ、ポリプロピレンやポリエチレンなどの合成樹脂で製造されます。
合成樹脂を加工することで強度を高め、軽量化も実現しています。
耐水性にも優れているため腐食の心配もなく、洗浄することで衛生的に運用可能です。
形状も自由度が高く、着色もできるため用途ごとに使い分けしやすいです。
導入コストは木製パレットより高いですが、破損が少ないため耐久年数はプラスチックパレットの方が長くなります。
そのため、パレットを長期間運用する場合はプラスチックパレットが適しています。
強度の高さを生かして、フォークリフト用の差し込み口が4方向に設置されたパレットも多いです。
金属パレット
金属製パレットの材質は、鉄やアルミです。
耐久性や強度は、他の材質の群を抜いて高くなっています。
しかし、コストが高く重量が重いデメリットがあります。
破損した際も、補修に専門的な技術が必要なため、時間とコストが必要です。
平パレットよりも、ボックスパレットやポストパレットで運用されることが多いです。
紙(ダンボール・ファイバーボード)パレット
紙パレットは、特殊なクラフト紙が原料です。段ボールパレット(段パレ)とも呼ばれます。
紙パレットのメリットは以下の2つです。
- 軽量
- 形状の自由度が高い
紙パレットは軽量で手で持ち運び可能ですが、他の材質と比べると強度が弱くなります。
しかし開発技術の向上により、5t程度の重量まで耐えられるパレットも開発されています。
また、紙パレットはリサイクル可能なため、環境にもやさしいです。
パレットの形状種類
パレットの主要な形状は7種類あります。
荷物の形状や保管方法、輸送方法に適した形状を選択しましょう。
平パレット
平パレットは平らな板状のパレットで、もっとも多く流通しています。
表面は軽量化のため穴が開いていたり、落下防止の滑り止め加工されていたりさまざまです。
また、前後左右にはフォークリフトやハンドリフトの爪の差込口が設けられています。
裏面はフォークリフトの爪支える下駄が付いているタイプや、裏面も積載に使用できるリバーシブルタイプもあります。
ボックスパレット
ボックスパレットは底面以外に3または4面に板がついた箱の形状をしたパレットです。
側面の板は、網や格子の形状をしたパレットが多く、鉄や樹脂で製造されています。
側面の板は、固定式、開閉式、折り畳み式、取り外し式などさまざまです。
箱の中に製品を格納し運ぶので、傷つきやすい製品や、崩れやすい製品の運搬で活躍します。
ロールボックスパレット
ロールボックスパレットは滑車付きのボックスパレットです。
カゴ台車とも呼ばれ、スーパーやドラッグストアなど小売店への納品で多く利用されています。
ロールボックスパレットは底面を折りたたむことが可能です。
そのため空荷の回収を集約して行えます。
ポストパレット
ポストパレットは底面の4角に支柱のあるパレットです。
荷物を載せたままラックのように重ねて使用できるので、省スペース化ができます。
支柱も取り外し式や、折り畳み式があるので、必要に応じて使い分けも可能です。
シートパレット
シートパレットはクラフト紙や樹脂を用いた薄いシート状のパレットです。米や小麦、肥料など袋に詰められた製品を運用する際に多く利用されています。
シートパレットはプッシュプルフォークリフトのみで荷役作業できます。
サイロパレット
サイロパレットはサイロ(漏斗)の形状をしたパレットです。
穀物など粉末状の製品の持ち運びに使用されます。
上部には蓋があり、側面は密閉されています。下部には開閉口があります。
タンクパレット
タンクパレットは、液状の製品を運用するパレットです。
金属の枠に内にタンクが設置された形状で、上部または下部に開閉口があります。
パレットサイズの規格と種類
パレットサイズは国内に数種類の規格があります。
日本のパレットの標準サイズは1100×1100×144㎜です。
JIS規格により定められており、T11型パレット(イチイチパレット)と呼ばれます。
その他にも下記のサイズの規格が存在します。荷物に合わせて規格外のサイズのパレットを作ることも可能です。
- 1,100mm× 800mm
- 1,100mm× 900mm
- 1,100mm×1,100mm
- 1,200mm× 800mm
- 1,200mm×1,000mm
- 1,300mm×1,100mm
- 1,400mm×1,100mm
- 1,440mm×1,130mm
パレットの用途別種類
ディスポーザブルパレット(ワンウェイパレット)
ディスポーザブルパレットはワンウェイパレットとも呼ばれ、1回の使用を目的としたパレットです。
出荷のみで戻りがない荷物の出荷に用いるため、安価な紙製や木製パレットが適しています。
リターナブルパレット
リターナブルパレットは、繰り返し使用することが目的のパレットです。
長期間使用するため、耐久性の高いプラスチックパレットの運用が適しています。
木製パレットでも運用可能ですが、プラスチックパレットに比べ腐食や破損のリスクが高いです。
企業間の輸送などに用いられていますが、パレットが紛失するリスクがあるため管理が難しい一面もあります。
同一事業所内で運用するパレットをキャプティブパレット、同じ業界の取り決めによって定められた同じ形状のパレットをエクスチェンジパレットと呼びます。
また、業界を超えて広範囲で利用される同一仕様のパレットをプールパレットと呼びます。
レンタルパレット
レンタルパレットは必要に応じたサイズ、枚数をレンタル契約できるサービスです。
レンタルパレットを利用すれば、在庫管理が不要になります。
パレットは紛失や破損、在庫不足など管理にてまとコストがかかります。
さらに自社でパレットを所有する場合は、レンタルより3倍の枚数が必要です。
レンタルパレットの利用で、パレットの作成や管理業務が不要になります。
無料の木製パレット入手方法
木製パレットはジモティーを利用すれば、無料で入手できます。
木製パレットは処分に費用が掛かるため、ジモティー掲示板では不要な木製パレットの引き取り手を探している投稿も多いです。
中古である点と、自身で引き取る必要がある点が問題なければ無料で木製パレットを入手できます。
ホームセンターで木製パレットを譲ってもらえるという、公式な情報は見つかりませんでした。
パレットを無料で入手したい場合はジモティーの利用がおすすめです。
まとめ
パレットは、荷物をまとめて移動できる便利なアイテムです。
フォークリフトを用いてトラックへの積載や荷卸、倉庫への格納などが効率的に実施できます。
パレットの主な材質の種類は木、樹脂、金属、紙の4種類です。
パレットを選択する際には、材質以外にも大きさ、形状を考慮し、積み荷や輸送先に応じた最適なパレットを選択しましょう。
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